現在、女性の就労者数は過去最大である。
ウェストバージニア共和党のツイート、2019年2月6日水曜日
(注:この記事は、FIJがPolitiFactのファクトチェック記事を許諾を得て翻訳したものです。他サイト等への転載を禁じます。)
2019年3月27日(水)14:33 Samantha Patrick
米国では女性の就労者数が過去最大に達しているのだろうか?
ウェストバージニア共和党は最近のツイートでそのように述べている。
同党はトランプ大統領の一般教書演説を引用してこう述べる。
“アメリカ国民は女性の就労者数が過去最大となったことを誇ろう。そしてそれだけではなく、女性に投票権を付与した憲法修正案可決からちょうど一世紀後に女性議員の数も過去最大数に達したことも。”
“Americans can be proud that we have more women in the workforce than ever before — and exactly one century after Congress passed the Constitutional Amendment giving women the right to vote, we also have more women serving in Congress than ever before.” – @realDonaldTrump #SOTU
— WVGOP (@WVGOP) 2019年2月6日
ピュー研究所によると、女性議員の数が記録を塗り替えている件に関して、このツイートは正しいという。
そこで我々は、女性の就労者数が過去最大であるかを検証することにした。(ウェストバージニア共和党はこの記事のための問い合わせに回答しなかった。)
連邦政府で雇用関係データを収集しているアメリカ合衆国労働省労働統計局によると、2018年の年間平均女性就労者数は7600万人だったという。
これは下のグラフが示すように過去最大値である。
年平均の民間における16歳以上の女性の労働力指数
しかし、単に女性の就労者数を見ることにはさほどの意味はない。
なぜなら、人口が毎年増大するため、それに合わせて女性の就労者数もほぼ毎年増大するからだ。
ウェストバージニア大学経済学部のブライアン・レゴ助教は、「この特定の統計において、女性の就労者数を見ることは必ずしも妥当なアプローチではありません。なぜなら女性の就労者数は女性の総人口に左右されるものであり、人口が増えていることを考えれば、女性の就労者数も増えていることは当然ともいえるからです。」と語る。
そこで我々が見るべきは、年ごとの女性の就労率の推移であり、実際このデータは問題の言説の説得力を失わせるものであった。
民間における女性の就労率
この指標によれば、女性の就労率は1999年におよそ60%のピークを迎える。
しかし、2015年にはおよそ56%にまで落ち込み、そこから2019年にかけて57.5%まで緩やかに上昇している。
判定
ウェストバージニア共和党は、トランプ氏の一般教書演説の“米国における女性の就労者数は過去最大である”と述べる一文を引用した。
確かに女性の就労者数そのものは過去最大を記録している。しかし、人口の上昇が毎年の就労者数上昇につながっていることを考えれば、これは意味のない指標である。
そこで有識者たちは、女性の就労率こそがより意味のある指標であるという。すなわち、人口増大の要素を排除した指標である。
そして、そのパーセンテージは上昇している一方で、そのピークは2019年ではなく1999年であった。
よって、我々はこの言説を半分真実と判定する。
(元記事:Do we have more women in the workforce than ever before?
)