ファクトチェック記事を発表する際に表記する、対象言説に関する真実性・正確性の評価・判定を「レーティング」といいます。
FIJのレーティング基準は自由にご活用いただけます
FIJは、ファクトチェックを行うメディアに活用してもらうため、レーティング基準を策定しています。
FIJのファクトチェック・ガイドラインやレーティング基準は、自由にご利用いただけます。
なお、ご利用いただいた際は、FIJのガイドラインないしレーティング基準を使用している旨の表記とともに、こちらまでご一報をいただければ幸いです。
正確 | 事実の誤りはなく、重要な要素が欠けていない。 |
ほぼ正確 | 一部は不正確だが、主要な部分・根幹に誤りはない。 |
ミスリード | 一見事実と異なることは言っていないが、釣り見出しや重要な事実の欠落などにより、誤解の余地が大きい。 |
不正確 | 正確な部分と不正確な部分が混じっていて、全体として正確性が欠如している。 |
根拠不明 | 誤りと証明できないが、証拠・根拠がないか非常に乏しい。 |
誤り | 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがある。 |
虚偽 | 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがあり、事実でないと知りながら伝えた疑いが濃厚である。 |
判定留保 | 真偽を証明することが困難。誤りの可能性が強くはないが、否定もできない。 |
検証対象外 | 意見や主観的な認識・評価に関することであり、真偽を証明・解明できる事柄ではない。 |
世界各国のファクトチェック団体が用いるレーティング基準
世界の多くのファクトチェック団体・メディアが「True」「False」などのレーティングをファクトチェック記事とともに発表しています。代表的な例を紹介します。
・PolitiFact(米国)
・Snopes.com(米国)
・Africa Check(南アフリカ)
他方で、レーティングを採用していないファクトチェック団体・メディアもあります。Factcheck.org、AP Fact Check、Full Factなどです。
ファクトチェックにおいて、レーティングの発表は必須ではありませんが、レーティングを行う場合はその基準を明確化することが求められます(IFCN綱領(4)方法論の透明性参照)。
FIJがレーティング基準を策定した理由と意義
レーティングの表記があると、読者にとってわかりやすく、関心もひきやすいというメリットがあります。他方で、団体・メディアによってレーティングの手法がまちまちであると読者にとって分かりにくく、基準が明確にされていないとファクトチェックの公正性に疑問が生じかねません。
そこで、FIJは、ファクトチェックに携わるメディア関係者との協議、意見交換を重ね、9種類の表記と定義から成る「レーティング基準」を定めることにしました。
FIJは、各メディア・組織などがFIJのプロジェクトに参加するか否かにかかわらず、このレーティング基準とファクトチェック・ガイドラインに準拠してファクトチェックに取り組むことを推奨しております。
レーティング基準やガイドラインは、今後もメディア関係者との継続的な協議、意見交換により、必要に応じて修正する予定です。
お問い合わせは、こちらよりご連絡ください。
(FIJのレーティング基準を参照・活用したことのあるメディア・団体)
・朝日新聞
・InFact
・沖縄タイムス
・産経新聞
・Japan In-depth
・中京テレビ
・日本テレビ
・BuzzFeed Japan
・毎日新聞
・リトマス
・Wasegg
(一部修正使用を含む。五十音順、2022年12月1日現在)