FAQ(FIJについてのよくある質問)


FIJについてのよくある質問をまとめました。

(2022年9月29日更新)
FIJはファクトチェック団体ですか。その他のファクトチェック団体と何が違うのですか。
FIJは、ファクトチェックを自ら行い、検証結果を発表するファクトチェック実施メディアではありません。

FIJは、日本におけるファクトチェック活動の認知・信頼性向上、普及促進のための様々な情報発信・啓発活動、ファクトチェック実施メディアへの情報提供などの支援活動を行っている、ファクトチェック推進団体です。

FIJの主な活動内容は、こちらをご参照ください。

主なファクトチェック実施メディア・団体は、こちらでご紹介しています。

FIJのサイトにもファクトチェック記事が載っているようですが、これはFIJが発表したものではないのですか。
FIJでは、メディアが発表したファクトチェック結果を一覧・検索できるよう、FactCheck Navi(ファクトチェック・ナビ)に、各メディアが発表した検証結果を収録しています。

これらの検証結果はすべて、各メディア・団体が独自に記事化・発表したものであり、その概要をFIJが転載、紹介している形になります。

FIJ側は各メディア・団体が記事を発表した後に初めてその内容を確認し、FactCheck Naviに収録していますので、数日間のタイムラグが生じる場合があります。

FIJがFactCheck Naviなどで紹介しているファクトチェック記事は、FIJがその内容の正確性を保証しているものと理解していいのでしょうか。
いいえ、FIJは、各メディア・団体が発表したファクトチェック記事の内容について、個別の審査を行っていません。ですので、FactCheck Naviに掲載した検証内容の正確性を保証するものではありません。

FactCheck Naviの収録対象とするメディア・団体は、FIJの理事会で検討し、判断していますが、そのメディア・団体が発表した個別のファクトチェック結果は原則としてすべて掲載することとしております。ただし、編集上の事情などにより、掲載が遅れる場合があります。(以前は、ファクトチェック・ガイドラインの適合性を個別に審査してFactCheck Naviへの掲載可否を判断していた時期もありましたが、現在はその運用をとりやめ、すべて掲載する方針となっております。)

FIJが、ファクトチェック記事を個別に審査していないのであれば、誤った内容のファクトチェック結果を広める可能性があるのではないですか。
FIJは、各メディア・団体が発表したファクトチェック記事の内容について個別の審査を行わず、掲載した検証内容の正確性を保証するものではありません。FactCheck Naviでは、各メディア・団体が発表した検証結果を網羅的に収録し、一覧できるようにしています。

もしFactCheck Naviに掲載されているファクトチェックの内容・結果に事実面での疑義があることが判明したときは、その旨の注意書きを行う方針です。

また、必要に応じて、ファクトチェックに疑義があるとの情報提供を当該メディアにも行います。ファクトチェック記事に疑問がある場合は、こちらから情報提供いただければ幸いです。

FIJは、ファクトチェックを実施しているメディアと連携しているようですので、個別のファクトチェックにも関与しているのではありませんか。
いいえ、FIJとその他のファクトチェック実施メディアは、互いに独立した組織ですので、ファクトチェック対象の選択、取材・調査、レーティング、記事化はすべて、各メディアが独自の判断に基づいて行われています。

FIJは、ファクトチェック対象となり得る疑義言説(真偽不明の情報)をモニタリングし、その情報をファクトチェック実施メディアに共有・提供しているにとどまり(こちら参照)、いずれの疑義言説を検証するかは各メディアが判断しています。

各メディアから助言を求められた場合に、FIJの理事が助言を行うこともありますが、その助言を受けての編集判断は各メディアが独立した立場で行っています。

FIJの理事の中には、他のファクトチェックメディアの運営・編集業務に携わっている者もいますが、その場合も、他のメディア・団体と扱いは同じであり、各メディアの編集過程にFIJは関わっておりません。

FIJの理事がファクトチェック団体の編集長などとして兼務しているのは、利益相反とならないのですか。
FIJの理事の中には、他のファクトチェックメディア・団体の運営・編集業務に携わっている者もいますが、FIJは、情報提供などの協力支援事業において、他のメディア・団体と公平に同等の扱いをしております。

ファクトチェックメディアの運営に携わっている(携わったことのある)FIJの理事は、以下の通りです(理事一覧はこちら)。

◯ 瀬川至朗 理事長 (早稲田大学教授として指導担当しているゼミの学生主体メディア「Wasegg」の運営責任者)

◯ 楊井人文 理事・事務局長 (「リトマス」のスタートアップを支援する外部アドバイザー。過去に「InFact」のファクトチェック共同編集長としてファクトチェック部門を統括)

◯ 古田大輔 理事 (「日本ファクトチェックセンター」(JFC)の編集長。過去にBuzzFeed Japan創刊編集長)

◯ 山﨑毅 理事 (NPO法人「食の安全と安心を科学する会」代表理事で、ファクトチェック記事の責任者)

なお、世界各国のファクトチェックメディアを支援している「国際ファクトチェックネットワーク」(IFCN)でも、理事にはファクトチェックを実践しているメディアの現役メンバーが名を連ねていますが、IFCNと各メディアは互いに独立した関係にあり、利益相反のないように運営されていると承知しています。

韓国でファクトチェックメディアと連携して支援している公共組織「SNUファクトチェックセンター」でも、運営委員にメディア関係者が名を連ねています

FIJは大手メディアから支援を受けているのですか。
FIJは主に会費や寄付、民間の助成金などで運営されており、政府はもちろん、あらゆる組織から独立した非営利団体です。

FIJは、過去も現在も、新聞社等のいわゆる大手メディアから会費・寄付の経済的な支援を受けたことはありません。

支援を受けている企業や財団名は、こちらのページに公表しております。

また、FIJの理事にも、大手メディアの現役の役職員は入っておりません。

なお、疑義言説データベース・ClaimMonitorは、メディアも原則有償利用としており(実績要件により免除)、一部メディアに利用料を負担していただいております。

FIJが大手メディアから支援を受けていないとしても、関係性はあるので、大手メディアの報道はファクトチェックの対象になっていないのではありませんか。
どの疑義言説をファクトチェックの対象とするかは各メディア・団体の編集方針、判断となっています。これまでに、大手メディアのニュース報道を対象に検証がなされた事例はいくつもありますので、こちらでご確認ください。

FIJは、現在、恒常的に疑義言説のモニタリング・収集を行っていますが、事実関係に疑義があれば、ネット上の情報に限らず、社会的影響力のある人物の公開言説、メディアのニュース・報道記事も含めて、ClaimMonitorに「疑義言説」として登録し、ファクトチェック実施メディアに提供しています。

FIJのファクトチェック・ガイドラインでも、「検証の対象は、不特定多数者に公開され、社会に影響を与える可能性のある言説とします」と記しているのみで(「第3 ファクトチェック記事の記載事項」の2(1)b)、特定の発信源・媒体による言説をファクトチェックの対象とすることや、対象外とすることを求めていません。

また、同ガイドラインでは、「特定の主義主張や党派・集団等に対する擁護や批判を目的とせず、公正な基準と証拠に基づいて、事実に関する真実性・正確性の検証に徹する」という公正性の原則を示しています(「第2 目的・定義」の2)。

ファクトチェックの対象範囲を具体的にどのように設定するかという編集方針は、それぞれのメディア・団体が独立した立場で決定しています。

「FIJガイドライン活用メディア」とは何でしょうか。FIJとはどのような関係ですか。
FIJは、IFCN(国際ファクトチェックネットワーク)の国際基準を踏まえて、ファクトチェック・ガイドラインを作成し、ファクトチェックを実践しようとするメディア・団体に活用を推奨しています。

FIJにおいて、このファクトチェック・ガイドラインの趣旨を踏まえて継続的に活動していると確認されたメディア・団体を「FIJガイドライン活用メディア」として紹介しています。そして、ファクトチェックの形式にのっとって発表した検証結果は、FactCheck Naviに収録し、一覧・検索できるようにしています。

先ほどもご説明したとおり、FIJと、「FIJガイドライン活用メディア」として紹介している各メディア・団体とは、互いに別個独立した組織です。FIJから疑義言説の情報提供は行っておりますが、各メディアのファクトチェック編集過程に関与していません。

(以前は「メディアパートナー」という名称でしたが、2022年より諸制度の再編成により変更しております。)

FIJにファクトチェックを依頼すれば、ファクトチェックしてもらえるのでしょうか。
FIJでは、FactCheck Naviでファクトチェックに関する要望や情報提供を受け付けています。皆様から提供された情報は、疑義言説データベース・ClaimMonitorに登録され、ファクトチェックに取り組んでいるメディア・団体に共有させる仕組みになっています。その結果、メディア側の判断により、情報提供に基づいたファクトチェックが行われ、発表させる場合があります。

FIJは、ファクトチェックを実施する団体ではありませんので、「依頼」をいただいても、FIJとしてファクトチェックの実施・発表を行うことはありません。またFIJから、他のメディア・団体に対してファクトチェック実施を要請することもありません。