(この記事は、FIJの無料メールマガジン「ファクトチェック通信」12月23日号を再編集したものです。メールマガジンのご登録はこちらから)
▼NHK、偽情報対策のメディアネットワークに参加
NHKは、偽情報に関する知見や対策方法を共有する国際的なメディアネットワーク(Trusted News Initiative、略称TNI)に参加することを発表しました(発表資料)
(BBCサイトより)
TNI は、イギリスの公共放送BBCなどが中心になって2019年からスタートした枠組み。AP通信、ロイター通信などの主要通信社やメディアのほか、Google/YouTube、Facebook、TwitterなどSNS・プラットフォーム事業者も参加しています。
今年11月にアジア太平洋地域にもネットワークを拡大し、NHKをはじめ、各国から7社が参加することになったとのことです(アジア太平洋放送連合の記事)。
NHKがこのネットワークに参加することで、今後の報道やファクトチェックの取組みにどのような影響が現れるのか注目されます。
▼Google/YouTubeがIFCNに1320万ドルを助成
国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)はGoogle/YouTubeから1320万ドル(約17億5000万円)の助成金を受けたことを発表しました。
IFCNの体制強化に使われるほか、このうち1200万ドル(約16億円)がIFCN加盟団体向けの助成金に充てられ、配分の詳細は2023年に発表される予定とのことです。
IFCNには12月22日現在、111団体が加盟(うち26団体が更新審査中)しています。
▼TwitterのCommunity Notesが全世界で公開 課題の指摘も
Twitterが12月11日、ユーザーによるファクトチェックのメモを不正確な投稿に表示させる機能としてCommunity Notesを全世界で使用可能にしたと 発表しました。
これにより、日本のユーザーもCommunity Notesのメンバーが実施したファクトチェックのメモを閲覧したり、評価を送ったりすることが可能になり、正式なメンバー登録申請も受け付けが始まったことが確認されています。
12月27日現在、日本語でのファクトチェックのメモは確認できていません。
Community Notesは、登録されたメンバーが送信したファクトチェックのメモに対し、他のユーザーが高評価を与えた場合に、そのメモが不正確な投稿に表示される仕組みです(高評価を受けて表示されたメモの一覧)。
ただ、ブルームバーグは、Community Notesメンバーが登録したファクトチェックのメモのうち約96%が表示されておらず、非表示のメモが約3万件にのぼっているなどとする分析結果を報じています。
▼日本テレビがファクトチェック特番を放送
日本テレビが11月20日、ファクトチェック専門ニュースショー「ザ・ファクトチェック」を放送しました。
羽生結弦さんのイベント開催に関連して「ホテルが勝手に予約キャンセル、価格数十倍に」といったSNS上の情報などを取り上げ、番組が実施したファクトチェックについてを出演者とディスカッションする内容。
日本の地上波テレビ局で、こうしたファクトチェックに特化した番組を放送したのは初めてとみられます。日本テレビは今年から“news zero”でファクトチェックを随時取り入れる試みを始めています。
ファクトチェック・ナビ 新着記事
ファクトチェック・ナビでは「ファクトチェック一覧」「誤情報関連ニュースリンク集」を随時更新しています。ぜひご覧ください。
FIJニュース
●12月6日、ファクトチェックフォーラム公開ウェビナーを開催し、ジャーナリストの牧野洋さんにヨーロッパの偽情報対策に取り組んでいる「EDMO」の現地調査についてお話いただきました。メディア関係者や研究者など58人が参加しました。このイベントに関連した記事がJ-castニュースに掲載されました。
(これまでのメディア掲載情報はこちら)
●国連事務次長ら国連関係者と日本のファクトチェック団体、メディア関係者との間で、日本における誤・偽情報問題についての意見交換会が12月6日行われ、FIJから3人の理事が参加しました。詳しくはこちら。
●沖縄タイムスがFIJガイドライン活用メディアとして登録されました。今後、FactCheck Naviに記事を順次収録する予定です。
●FIJの活動報告書(11月分)を掲載しました。