(この記事は、FIJの無料メールマガジン「ファクトチェック通信」11月12日号を再編集したものです。メールマガジンのご登録はこちらから)
▼国内のファクトチェック記事数は過去最多に
今年は国内で発表されたファクトチェック記事本数が過去最多となったことが、FIJ事務局の調査でわかりました。10月末までに192本となり、これまでで最も多かった2020年の175本を上回りました。
調査の対象は、FIJやIFCNのガイドラインを踏まえてファクトチェックの形式で配信された記事または放送コンテンツで、新聞社・テレビ局の5社を含む計12媒体。
その多くがFIJの 疑義言説データベース「ClaimMonitor」を活用しながら、ファクトチェックを発表しています。ClaimMonitorを恒常的に利用して記事を発表している4媒体について確認したところ、今年1月~10月に発表された記事132本のうち、ClaimMonitorを端緒にして記事化されたと報告があったのは91本(69%)でした。
▼マスク氏買収のTwitter “Birdwatch”は“Community Notes”に
イーロン・マスク氏がTwitterを買収し、改革に着手していることに関連して、誤情報対策として導入された「Birdwatch」の今後に注目が集まっています。
「Birdwatch」は、誤解を招くツイートに一般ユーザーがファクトチェックした情報などの注釈をつけ、多数のユーザーが評価すれば目立つラベルとして表示されるサービス。昨年から米国版で テストが始まり、10月から米国の全ユーザーに拡大していました(日本版では未導入)。
(Birdwatchについて紹介した動画)
マスク氏は買収後ただちに人員整理に着手。誤情報対策への懸念の声が出る中で「Twitterは、世界に関する最も正確な情報源になる必要がある。それがわれわれの使命だ」と ツイート。Twitter社は11月11日(日本時間)、「Birdwatch」を「Community Notes」に 正式に改称したことを発表しました。
Community Notesの目的は「Twitterユーザーが共同で、誤解を招く可能性のあるツイートに文脈を追加できるようにすることで、より良い情報に基づいた世界を作ること」だとしています。一連の動向の詳細は、MediaWise理事とIFCN記者によるPoynterの レポート(英語版)も参考になります。
▼〈BOOK〉読売新聞大阪社会部が『虚実のはざま』連載を書籍化
読売新聞大阪社会部が 連載企画「虚実のはざま」を単行本にまとめ、 『情報パンデミック あなたを惑わすものの正体』を中央公論新社から刊行しました。
11月12日には日本プレスセンタービルでシンポジウムが開催されました。
書籍では、誤情報・偽情報に惑わされる当事者を取材したルポタージュを中心に、ファクトチェックを含む対策の取組みにも言及されています。ご関心のある方はぜひ一読ください。
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