(この記事は、FIJの無料メールマガジン「ファクトチェック通信」10月3日号を再編集したものです。メールマガジンのご登録はこちらから)
▼日テレ“news zero”がファクトチェック実施 今年3件目
日本テレビの報道番組「news zero」が9月29日の放送で、「(安倍元首相)国葬のせいで、静岡県の自衛隊派遣要請が遅れた」というネット上で広まった言説は「誤り」だとするファクトチェック結果を伝えました。
「news zero」が自らファクトチェックを実施してニュース番組内で取り上げたのは、7月22日放送、9月27日放送に続いて3件目。直近の2件は番組のツイッターやサイトで視聴できます。
(日本テレビ・ニュースサイト)
・ 9月27日放送分
・ 9月29日放送分
海外ではファクトチェック番組を定期的に放送しているテレビ局もありますが(例: 韓国のJTBC)、日本では極めて異例で、初めてかもしれません。「news zero」の今後の取組みに注目です。
▼Googleとヤフーの支援でファクトチェック専門機関が発足
新たなファクトチェック専門機関「日本ファクトチェックセンター」(JFC)が9月28日、設立記者会見を行い、 ファクトチェックサイトを公開しました。編集長にFIJの古田大輔理事が就任したことも 発表。独自の ガイドラインを定め、さっそく7本のファクトチェック記事を公開しています。
設立母体は「一般社団法人セーファーインターネット協会」(SIA)。Google.orgから2年間で150万ドル(約2億1600万円)、ヤフー株式会社から2000万円の拠出を受け、ファクトチェックのほか、メディアリテラシー教育や調査研究も行っていくとのことです。
FIJはファクトチェック活動を普及するための推進団体で、こうしたファクトチェック実施団体とは役割が異なります。両者の関係性については、 FIJサイトの「よくある質問」もご覧ください。
▼偽情報相次ぎ、大手メディアも報道 「静岡水害の映像」など
最近ネット上で広がった偽情報事案について、大手メディアが相次いで取り上げました。
台風15号の直後に「ドローンで撮影された静岡県の水害」としてTwitter上で拡散した映像はAIが作成した偽画像だったことが、ファクトチェックにより相次いで検証されました。その後、NHKなど大手メディアも大きく報道しました。
(ファクトチェック記事)
・ 「ドローン撮影した静岡県の水害」と虚偽画像が拡散。AIでフェイク生成? 県は「デマやめて」(BuzzFeed Japan 9/26)
・ 「ドローンで撮影された静岡県の水害」は虚偽 AIで偽画像を作成(リトマス 9/27)
・ AIが作成「デマ画像」ツイート――静岡の台風被害装う だまされないためには?…「正方形」「不自然な点」「出所」に注目(日本テレビ 9/27放送分)
・ ファクトチェック:「 ドローンで撮影された静岡県の災害」はAI作成の偽画像(日本ファクトチェックセンター 9/28)
(大手メディアの報道)
・ 注意を SNSで拡散された災害画像は“AI生成の偽画像”だった(NHK 9/29)
・ 水害フェイク画像の投稿者を直撃「こういう人も存在するので注意しましょう、と知ってほしかった」クリエイティブなAI画像生成の登場に警鐘も(Abema Prime 9/29)
また、「国葬反対デモの参加者数が307人だった」という偽情報も、ファクトチェックがなされるとともに、複数のメディアが報じました。
・ 国葬反対デモの参加者数「野鳥の会のカウントで307人」「警察発表500人」は誤り。公式サイトで関与を否定(BuzzFeed Japan 9/29)
・ 「反対デモの参加者は307人」、安倍氏国葬で偽情報がSNSで拡散 日本野鳥の会が否定(産経新聞 9/29)
・ 安倍元首相の国葬反対デモ「日本野鳥の会の集計で307人」「警察発表で500人」は誤り 偽情報が拡散(東京新聞 9/29)
▼リトマスが正式版サイトをリリース クラウドファンディング目標達成
今年からファクトチェック専門メディアとして活動を始めたリトマス=6月改称、法人設立=が10月1日、 正式版サイトを公開しました。
サイト制作費などを募るため7月から行っていた クラウドファンディングは9月18日に終了。373人から総額335万円余りの支援金を集め、目標額を達成しています。
「ファクトチェック・ナビ」新着記事
ファクトチェック・ナビでは「ファクトチェック一覧」「誤情報関連ニュースリンク集」を随時更新しています。ぜひご覧ください。