FIJは、これまでの諸制度を見直し「ファクトチェックフォーラム」への再編成を進めることになりました。
FIJでは、2019年よりファクトチェックに取り組むメディア等を支援するスキームとして「メディアパートナー制度」をスタートし、2022年1月までに24媒体・団体(海外を含む)にまで拡大しました。
「ファクトチェック支援システム」が軌道に乗り、メディアの記者を中心に「メディアパートナー会議」でファクトチェック実務について意見交換を行ってきたこともあり、以前に比べてファクトチェックを行うメディアの数も、記事化の実績も伸びてきました。
(これまでの取組み内容と成果をまとめましたので、こちらもご参照ください)
ただ、ファクトチェックの担い手や認知度の拡大には、まだ様々な課題が残っており、従来の取り組みだけでは限界もみえてきました。
そこで、現下の課題を乗り越え、ファクトチェック活性化を更にもう一段進めていくためには、より幅広く各界の関係者と協議を重ね、新たな協力・支援策を検討する場が必要と考え、よりオープンなフォーラムに再編成することになりました。
主な変更点は、次の通りです。
(1)ファクトチェックフォーラムへの再編
ファクトチェック実務を行うメディア関係者だけでなく、関心のあるメディア関係者、FIJの活動に参加している市民・学生ら(ファクトチェックアソシエイト)、各界の有識者、協力企業・非営利団体など、ファクトチェックや誤・偽情報問題の施策に直接または間接的に関わる各界関係者が、公式・非公式を問わず、幅広く参加できるフォーラムとします。
ファクトチェックフォーラムのイメージ図
(2)各メディアの独立性を踏まえたファクトチェック・ナビの運用
FactCheck Naviは、各メディアが行ったファクトチェック結果を網羅的に収録し、一覧性・検索性を重視するアプリを目指して改良を進めます。登録対象となるのは、ガイドラインを踏まえて継続的に記事化を行っているメディア(FIJガイドライン活用メディア)です。FIJの理事会で承認手続きを行います。
各メディアがFIJなど各団体から独立した立場でファクトチェックを実施し、ガイドラインの活用も定着をみています。
そこで、従来の「メディアパートナー」制度は解消し、前述の「ファクトチェックフォーラム」という新しい枠組みに再編し、緩やかに参加できる形とします。個別の記事のガイドライン適合性を判断する「編集委員会」も廃止しました。
(3)ClaimMonitorの運用と会員制度の見直し
メディアパートナーに提供してきた疑義言説データベース・ClaimMonitorは、維持管理コストの観点から、一般個人利用(月額料金制)は廃止し、原則としてメディア・企業の有償利用に限らせていただきます。ClaimMonitorの利用は正会員・賛助会員の会員特典からも対象外となりました。
ただし、ファクトチェックの記事化実績が認められる「ガイドライン活用メディア」については、ファクトチェック支援システムの対象となりますので、ClaimMonitorを引き続き無償で利用できるものとします。これからファクトチェックを本格的に開始するメディア・団体についても負担額を軽減する方針です。
また、市民や学生などファクトチェックアソシエイトと連携して、ファクトチェックの周知・活性化に取り組んでいきます。
再編後の「ファクトチェックフォーラム」につきましては、今後、新たな動きがありましたらお知らせいたします。
FIJは新年度も引き続き、ファクトチェックの普及に向けての課題解決に取り組んでまいります。何卒ご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。